駒場東邦中学校 | |
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生徒各自の個性を伸ばし、豊かな知性と科学的な教養を身に付ける | |
交通 | 京王井の頭線:駒場東大前駅 下車 西口出口より 徒歩10分 東急田園都市線:池尻大橋駅 下車 北口出口より 徒歩10分 |
公式HP | 駒場東邦中学・高等学校 公式ページ |
傾向と 対策 | 算数 ここ数年、すべての大問が小設問をともなった応用問題で構成されていましたが、17年度には計算問題と応用小問をふくむ大問が再び顔を見せました(かつてはそれらの集合題が出ていました)。 総問題数は少なく、いわゆる超難問のたぐいは出題されていませんが、推理的な思考力を必要とするものがいくつかあり、解くのに時間がかかるものが多いです。また、「答えの出し方」を書かせるのも特徴です。 これらのことを考えると、試験時間が60分に増加したとはいえ時間不足と感じるかもしれません。 出題内容を見ると、最近図形と数の性質からの出題が大半を占めています。 図形は重視されている分野で、ここの出来不出来が合否を左右するといえます。具体的には、図形を移動させたり拡大させたりするもの、変化する面積・体積に関するもの、三角形の合同や相似と面積比を組み合わせたものなどがよく出されています。また最近では、複数の立体図形を組み合わせた問題が目につきます。たとえば立方体を組み合わせて表面をぬる問題、正四面体を組み合わせたときの切り口を移動させる問題、紙片を組み合わせて立体をつくる問題などです。 数の性質からは、数列や規則性、組み合わせ、場合の数などがよく取り上げられます。いずれも基本的なレベルよりやや上といった程度ですが、ほかの中学に比べてウエートが大きいといえるかもしれません。また、場合の数などは一つひとつ数えていくこともまれにありますが、ほとんどは筋道だてて考える必要のあるものです。 特殊算は、ほかの中学に比べると出題率が極端に低く、以前は旅人算、通過算などを中心に1〜2題は出されていましたが、最近では出題されない年もあります。 応用問題では、いくつかの設問をふくむ長文の文章題になれておく必要があります。解答を急ぐあまり問題文をよく読まないと、つまらぬミスをおかす危険性があります。問題を解く過程で重要条件と思われる部分には、下線を引くぐらいの注意深さが必要でしょう。 図形の面積に関するいろいろな問題になれておくことも大切です。平行移動、回転、拡大と縮小による面積変化の問題などは、基礎をふまえたうえでの応用力、推理力が必要ですから、数多くの問題にふれて、解法のパターンを覚えておくのがよいでしょう。また相似・合同による面積の求め方などもよく出されます。特に三角形の性質には注意してほしいものです。 数の性質に関しては、規則性、数列、場合の数が重要なポイントです。いずれも相当な整理・分類の力が必要で、条件を落とさないようにすることが大切ですから、よく練習しておかなければなりません。そのさい、式などをノートにていねいに書くことを忘れないことです。 また、演習問題にあたるばかりでなく、日常での思考力・推理力をはたらかせることが大切で、ものごとを論理的に考えることを心がけておくとよいでしょう。 基本事項をしっかり身につけたうえで、問題集で少し高いレベルのものをやるようにしてください。その場合でも、答えがあっていればよしとするのではなく、一つひとつ、ここはどうしてこうなるのか、なぜこの解法を使うのかといったことを段階的に確かめながらやることです。 国語 10年度以降は超長文の読解題1題(物語文)にことばの知識に関する大問が1題加わる形式となっています。そして、14年度以降は読解題1題だけとなりました。さらに、17年度には問題量はほぼ変わらずに、50分であった試験時間が60分に増加しました。今まででも時間的に十分余裕がありましたが、なおじっくり長文に取り組めるようになったといってよいでしょう。 長文読解題の素材文は、論説・説明文と小説・物語文で、詩・短歌・俳句などはまれに見られる程度です。また、それらは少年少女向けのものが多く、たまに外国の有名な小説(の翻訳)が取り上げられています。小設問の数は15前後で、内容の読み取りに関するものが大部分をしめています。 なかでも物語文では心情の読み取り、特に場面ごとの登場人物の心情の変化などに重点がおかれるのが特徴です。登場人物の心情を理解するには、単にことばのうわべだけではなく、ことばをもとに、その場の情景、人物の表情などを頭に描けるくらいのていねいな読み取りが必要となってきます。感動する心、想像する心、など、感じる心が要求されているわけです。 一方、論説・説明文では、書かれている内容を順序だてて整理し、理解する能力が問われます。段落分けや指示語の理解、要旨の把握といった点を確実におさえられるかどうかが、勝負の分かれ目となってくるでしょう。 解答方法は記号の選択と記述(ぬき書きをふくむ)の両方が見られますが、記述式のウエートが高いといえます。自分のことばで書かせる問題が毎年いくつかあり、ある程度の文章表現力が要求されます。書く力のない受験生にとって合格点確保は難しいかもしれません。 なお、漢字の書き取りが20題ほどあります。レベルはやや難といったところですが、配点の2割を占めると思われるので、確実に得点に結びつけたいところです。 上でのべたように、国語で要求されるのは、正確な読解力と記述力です。というのは、文学史や短歌・俳句・詩といった、ある程度知識にたよらざるをえないような問題、知っていればスラスラ解けるが、知らなければまったくお手上げといった問題、は、これまでほとんど見あたらず、また今後も出される可能性はないでしょう。 そのような“知識”を問う問題が漢字以外にはありません。 長文読解題は、いうまでもなく文章を読ませてそこに書かれてあること、あるいは書かれた内容から判断すべきことや想像すべきことを、的確に読み取ることができるかどうかをためすことにあります。段落や指示語や修飾関係も、そのような的確な読解のために最低限必要なこととして出題の対象となるわけです。 ふだんから、できるだけ多くの本を読み、その要旨や感想を原稿用紙にまとめる、という作業を習慣化することをおすすめします。へたに参考書や問題集に手を出すより、ずっと効果があがると思います。 理科 例年、大問数は5題前後で、その中に30問ほどの小設問がふくまれています。試験時間は17年度 より30分から40分に増加しました。“これは”という難問も少なく、選択式解答が大部分であることを考えてみると、まずは十分な時間のはずです。 分野別に見ると、「生物と環境」「物質と変化」「運動とエネルギー」「地球と宇宙」の各分野からもれなく出題されており、かたよりのない知識が必要とされます。まず、「生物と環境」では、植物のしくみと成長条件に関する大問が出される場合と、植物・動物・人体についての小問集合題として出される場合とが多く、動物あるいは人体の大問のみという年はやや少ないようです。次に、「物質と変化」からは水溶液の性質、溶解の問題がよく出されます。また、「運動とエネルギー」からは力のつり合い(かなり高度な計算問題)の出題率が高く、ついで電気と磁石などです。最後に、「地球と宇宙」では天体の動き、岩石と地層、流水のはたらきなどからの出題が多くなっています。 内容の特徴としてあげられるのは、実験・観察を主体にして考えさせる問題が多く、丸暗記だけでは点がとれないように工夫されているということです。そして、これらの実験・観察はポピュラーなものが多いわりには、その結果を示すグラフや図には見なれないものもあり、読み取りが難しくなっています。なかには、実験自体が複雑なものもあります。 さらに、“理科読解問題”とでも呼べるものが出されることもあります。これは基礎的な知識をもとにしながらも、正確な理解力・記述力を試そうとする出題といえるでしょう。つまり、実験・観察をもとにして、事象を正確に把握・分析し、その結果を適切に記述する、といった総合的な理科の力が要求されているわけです。 対策として次の4点をあげておきます。 @自分で実験や観察を積極的に行い、その結果を表やグラフなどを活用してまとめておく。 A基本的な知識を確実にするために教科書をよく読み、ノートにきちんと整理しておく。 B問題はできるだけ多くこなし、法則や公式を覚えるだけでなく、それをどのように使えばよいかという応用力を身につけておく。 C過去に出題された実験・観察問題を分類・整理して、今後の出題の可能性を考えてみる。 以上、対策をあげましたが、深く理解するためには幅広い知識を持つ必要があり、それも基礎的な知識が多けれぱ多いほど色々な考え方ができ、問題解決に大いに役立つはずです。この意味では暗記的な知識もけっして無視できません。また、本校の問題は、力のつりあいをはじめとして計算問題も多いので、計算ミスをしないように日ごろから練習しておきましょう。そのほか、植物・動物・人体のしくみや各部の名称を問うものもよく見られます。これには図鑑などを利用して、植物や動物のつくり、人体のはたらきなどを正確に覚え、よく理解しておくことが大切です。 最後に、全問題とも、実験・観察がらみが多いということから、学校での授業をおろそかにしないようにし、実験・観察にはすすんで取り組み、基礎的な原理や法則を確実に身につけておく必要があります。身近な自然現象にはつねに深い関心をもつように心がけ、「なぜそうなるのか」という疑問を放りっぱなしにしないことも大切です。 社会 13年度までは、大問が4題前後、解答記入個所は40ほどという構成でしたが、14年度には、大問が2題、解答記入個所が約20にいずれも減少し、そのかわりに数行にわたる記述問題が登場するという傾向の変化が見られました。15年度以降もこの新傾向にそって出題されています。そして、17年度には試験時間が30分から40分に増加しました。 14年度以降の新傾向では、問題をスピーディーに解くことよりも、あたえられた文章や資料と持ち合わせた知識を結びつけ、設問に的確に答えていくことが重視されています。新たに顔を見せた記述問題は、1行程度のものだけでなく、4行程度の本格的な設問も見られるので要注意です。 内容を見てみると、歴史分野にやや重点がおかれているようです。また、最近の出題傾向として、歴史、地理、政治・経済の分野がひとつの大問の中に組み合わされた総合問題が目立つようになってきました。 歴史分野では、小学校で学習するおよそ全範囲からまんべんなく出されていますが、最近では近・現代史の出題量が増加する傾向にあるようです。地理分野では、地勢・産業の各領域から出されるのはもちろんとして、時事的な話題を加味しつつ、日本とそれをとりまく世界の動向を反映した独自の問題や環境問題などがよく見られます。また、歴史とからめて、歴史上のできごとの場所を問うものも見られます。 政治・経済の分野は、憲法と政治、国際政治と国連、環境問題などが出題されていますが、年金問題など時事的なテーマについても問われていることが目にとまります。 歴史、地理、政治・経済のどれもしっかりした知識が必要です。たとえば、歴史の勉強では、自分で年表を作ってみることが大切でしょう。このとき大事なのは、用語を教科書などで調べて、漢字を使って正しく書くことです。これは年表づくりだけではなく、白地図を使った地理の勉強にもあてはまります。最近では本校だけでなく、入試問題に地名・人名・事件名を漢字などで答えさせる問題がふえています。せっかくわかっているのに、うろ覚えのためにことばや漢字をまちがえたりしてはなんにもなりません。 また、歴史では、できごとの起こった原因やその背景をまず考えることです。特に文化史が問われることが他校より比較的多いようですから、注意しておきましょう。時代ごとに重要な用語・人名をもう一度復習しておきたいものです。 地理では地方別に産業・自然・気侯などの基礎事項をまとめておくこと。かなり細かい地名まできかれるのが特色ですから、白地図学習が有効でしょう。ところで、地理では工業地域についての問題が必ずといってよいほど出されますから、立地条件・地名など、正確に記憶しておくことが必要です。政治・経済の問題では、憲法に関する出題がくり返されています。大日本帝国憲法との違いなどをまとめておきましょう。また政治・経済の勉強では、ニュースに興味を持つことが大切です。 最後に、社会の学習で必要なのは、歴史、地理、政治・経済をそれぞれ独立したものと考えず、たがいに関連づけながら勉強することです。そうすれば、より広い観点から、内容に深く立ち入った理解ができるはずです。 |
備考 | 新御三家の一つに数えられる理系に強い学校。 自由な学校だが学習面では面倒見がよいといわれる。理科実験教室を9室持ち、中1中2でクラスを2分して実験や観察を行う。 |
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